最近の研究内容の紹介

肥満・加齢と肝ストレス

ところで、肥満・脂肪肝あるいは加齢においては、潜在的に臓器・細胞にストレスがかかっていると考えられますが、外的ストレスに対して応答不全が起こるこ とを報告してきました(J Gastroenterol Hepatol 2007, Laboratory Invest 2010他)。

肝臓の脂肪化と肝障害

脂肪肝は糖尿病、メタボリックシンドロームの病態の一つの病態であるが、近年NASH(non-alcoholic steato-hepatitis)などの病態が注目されています。とくに、外科領域では手術後肝不全の回避が重要な課題です。

肝臓へのストレスを中心とした様々な病態と生理

肝臓は旺盛な再生能・機能維持能を有しており、そのための精緻な機構を備えていると考えられますが、そのメカニズムは未だ不明な部分が多く残されています。私たちは、傷害・障害と再生の間に肝に起こるイベントの解析より、これら制御機構の研究を行なってきました。

光イメージング法による生体内臓器ストレス・機能のモニタリング

生体内でのダイナミックな病態変化を解析する目的で、光を利用した生体イメージングを行なっています。病変の質的診断は、外科診断・治療において手術療 法、化学療法の適応、選択、方法を考える上で非常に重要であるにもかかわらず、生体内におけるそれら臓器の状態、病変の特性を直接明らかにする試みはその 端緒についたばかりです。

新規血液バイオマーカーの探索

私達は、腫瘍細胞の分子生物学的手法をもちいて、腫瘍性・非腫瘍性病変の発症・進行に関わる機能分子が、新しいバイオマーカーになるかどうかを検討しています。近い将来、特に消化器系の様々な病変に対するバイオマーカーを見いだせるのではないかと期待しています。