~光の窓を通して生体をみる~
生体内環境・生体内分子機能の可視化技術の開発・応用を通して、広く保健医療に貢献する目的で、平成25年4月に、「生体分子・機能イメージング部門 Laboratory of Molecular and Functional Bio-Imaging (LMFBI)」を設けました。保健科学研究院内、E棟4階に研究室を構えています。
光イメージングの技術は生体における様々なイベントを非侵襲的・経時的に、かつダイナミックに解析することを可能にする技術であり、私達はこれまで生体内環境、生体内分子の可視化のため、既にいくつかの“光プローブ”を開発してきました。この技術の特徴のひとつは、従来型の主として形態情報を与える大型装置と比較して、装置が小型・安価であるばかりでなく、光プローブに様々な細工を加えることにより、多くの分子の存在と機能、細胞・組織の環境を生体というマクロのレベルで分子レベルの質的・機能的情報をイメージすることが可能なことです。現在、生体・臓器・細胞の生命現象・生理・病態を保健科学の観点から理解すべく、かつ深部腫瘍の超早期発見を目指した研究を、学内・学外の研究者と分野横断的に進めています。さらに、“光”を利用して、細胞内分子の機能制御を行うことにより、糖尿病治療(予防)、臓器・生体機能調節、老化防止などに役立てようと研究をしています。
外科領域における研究として、これまで生体分子・機能イメージング部門にて進めてきた研究を基盤として、ソフト・ハードの両面から研究を推進したいと考えています。外科的治療、内視鏡治療へ「光」・「波」の技術を応用することで、これまでにない斬新な、医療技術開発をすすめ、臨床応用への道を開くのが目的です。そのため、医学・保健医学のみならず、薬学・理学・獣医学などの様々な分野の専門家の方々に協力をいただき、系統的にかつ確実に研究を進めていきたいと思います。